The Independentが選ぶ死ぬまでに読むべき本トップ40

ジェイン・オースティン『高慢と偏見』 スー・タウンゼント『モール君のおとなはわかってくれない』 ロアルド・ダール『チョコレート工場の秘密』 チヌア・アチェベ『崩れゆく絆』 ジョージ・オーウェル『一九八四年』 ダフネ・デュ・モーリア『レベッカ』 …

言葉の力ーーー高田大介『図書館の魔女』

図書館は人の知りうる世界の縮図なんだ。図書館に携わるものの驕りを込めて言わせてもらえば、図書館こそ世界なんだよ。 選んだことは状況や論理の然らしむる必然に過ぎない。その人固有の発露は選ばなかったことにある。人は、何を選ばなかったか、それによ…

ロボットの力、人間の力、物語の力ーーー山本弘『アイの物語』

タイトルが素晴らしい。これ以外には考えられず、本書を読み終えた後、タイトルの意味がより重みを増してくる。 本文に出てくる用語や概念を正確には理解できていないが、そんなことは関係なくこの本は楽しめる。SFだからと敬遠すると大変もったいない。 物…

震災後の現実を生きるーーー御手洗瑞子『気仙沼ニッティング物語』

著者は、手編みのセーターやカーディガンを作る「気仙沼ニッティング」の社長。大学卒業後マッキンゼーに就職。その後、ブータンの首相フェローとして産業育成の仕事に携わった経歴の持ち主。東日本大震災が起きたことをブータンで知った著者は、「日本人と…

うちに帰りたい、ただそれだけなのだーーー津村記久子『とにかくうちに帰ります』

表題作がいい。大雨の中、やむを得ず事情から歩いて帰ることになった人たちの話。人の思いや、出来事を大げさでもなく、なかったことにもせず、丁寧に言葉にしていく。読後に感情が大きく動くわけではないけど、じんわりと暖かく、読む前よりちょっと前向き…

自分に正直に生きることーーー映画『キャロル』

今日から公開の映画『キャロル』。ケイト・ブランシェットとルーニー・マーラが出演。監督はトッド・ヘインズ。 あらすじは、デパートのおもちゃ売り場で働きながら、プロのカメラマンを目指すテレーズ(ルーニー・マーラ)と資産家の人妻キャロル(ケイト・…

「自分を変える」が社会を変える、世界を変えるーー駒崎弘樹『「社会をかえる」を仕事にする』

とてもおもしろかった。大変読みやすいが、かといって軽い内容ではない。どこにでもいる大学生が、本気で社会を変えていくストーリー、と書くと暑苦しく、成功者の自慢話のような内容と思われるかもしれない。だが、ところどころ笑いや失敗話を交えているた…

誰も救われず、ただ転落していく――奥田英朗『最悪』

三人の登場人物が、ひどい状況を脱しようともがいているうちに一つの事件に巻き込まれていく群像劇。序盤から作品全体を暗い雰囲気が覆っているが、その雰囲気は晴れることなく、むしろ後半になるにつれますます重苦しくなっていく。それぞれの人物は、現状…

新年のあいさつ

あけましておめでとうございます。 新たな年を迎え、何か始めようと思い、ブログをすることにしました。 ブログの内容は、主に本を読んだ感想になると考えています。他のことも書くかもしれません。 インプットだけでなく、アウトプットをしていくのが目的で…